さすがは元ジェリーフィッシュのメンバーだけあって、歌唱とメロディは2人になった以降の10CCを思わせる甘さだが、全体的にグランジ以降のディストーション処理がされていて、へヴィロックや現在米で主流のロックの風潮を考えたプロデュースがされている。これを好意的に取れるかどうかで本作への評価が決まると言っていい。個人的にはもう少し素直に80年代しててもよかったんじゃないのと思った。
ちなみに日本盤はアルバムの解説をくるりの岸田繁が書いている。確かにジェリーフィッシュ好きとしても、こういう歪んだプロデュースのポップを語るには妥当の人物だろう。
もうポップスファンならゲットしているであろう本作。日本原盤だそうだ。日本の見識の高さは世界に誇れるものだ。元ジェリーフィッシュのロジャー・マニングとジェイソン・フォークナーに元レッド・クロスのブライアン・レイチェルが合体、80年代初期のエレポップ風味のサウンドに乗せて極上のポップスを届けてくれた。
まずファンとしてはロジャーとジェイソンの久しぶりの邂逅に公憤を禁じえないだろう。ほぼ全曲をジェイソンが歌っているが、サウンドの原色のキャンディのようなスィートさはロジャーの味わいだ。勿論ブライアンの腕前も素晴らしい。
全体に、過剰に甘く機械的なエレポップ風アレンジが溢れている。私は懐かしいと感じたが若いリスナーには新鮮かも。エレポップにはキャッチーなシンセベースのサビが不可欠で、こkで聴ける曲にはどれも病みつきになるリフが聴ける。しかしサビに行くと、彼らでしか書けない強烈にかっこよい展開が待っていて、単なる懐古趣味の作品ではなく彼らのオリジナルというアピールが伝わってくる。
ポップスファンは絶対に買いだろう。出来れば次の作品は王道ポップスアルバムを期待をこめて敢えて星は4つに抑えておく。